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競輪に単勝・複勝が存在しない理由とは?|競馬との違い・歴史的背景まで徹底解説

競馬でおなじみの「単勝」「複勝」。
1着を当てる、あるいは3着以内を当てるという最もシンプルな車券で、初心者が最初に手を出しやすい人気の賭式です。

しかし、同じ公営競技である競輪には 単勝・複勝が存在しません。
初めて競輪を買う人の中には、
「なんで競輪は単勝や複勝を売ってないの?」
と疑問に思う方は多くいます。

実はこれには レース構造・公営競技の歴史・オッズの成り立ち・競走の性質 など、複数の要素が関係しています。

本記事では、競輪に単勝・複勝が無い理由を多角的に解説し、競馬との違いから競輪特有の魅力まで詳しく掘り下げていきます。


結論から言うと、競輪に単勝・複勝が無いのは以下の理由が大きいとされています。

● レースが団体戦(ライン戦)で成り立っているため
● 「勝ちに行かない選手」が存在するため
● オッズが成立しにくいため
● 車券としての魅力・売上面の関係
● 歴史的に採用されなかった経緯がある

これらが複雑に絡み合い、「単勝・複勝は競輪に導入されていない」のです。

ここから一つずつ詳しく解説していきます。


競馬と競輪の最大の違いは、競輪は “個人戦のように見えて団体戦(ライン戦)である” という点です。

◎ ラインとは?

競輪では、

  • 出身地(地区)
  • 脚質(先行、追込)
  • レース戦略

などに基づいて、選手同士が「ライン」を組みます。

例:

  • 先頭を引く先行選手
  • その後ろでチャンスを狙う追込選手

というセットでレースをします。

つまり
1着を取りに行く選手と、仲間のために2着・3着で役割を果たす選手がいる
という構造があるのです。

◎ この構造が単勝・複勝を成立しにくくする

競馬の単勝は「どの馬が1着になるか」を当てるものですが、
競輪では 必ずしも全員が1着を目指すわけではありません。

  • 仲間を勝たせるためにわざと番手に入る
  • ラインの牽引役として先行し、最終的には力尽きて着外になる
  • 3着で役割達成の場合がある

このように、
全員が「勝ちに行く」わけではないスポーツに単勝・複勝は馴染まない のです。


競馬では全ての馬が「勝つこと」を目標に走ります。
しかし競輪は違います。

たとえば、

  • 番手選手(追い込み選手)はゴール前で抜くのが役割
  • 先行選手は“風よけ”として仕事をし、最後は差されても役割を果たしている
  • ラインのためにペースを作る仕事に徹する

このように、
最初から1着を狙わない選手も多いのが競輪の本質。

もし単勝・複勝があれば、
「勝ちに行かない役割の選手」に賭ける意味が大幅に薄れます。

さらに、ラインで協力しながら走るため
「誰が勝ちに行くか」は事前にある程度見えてしまう
という事情もあります。

→ 単勝オッズが歪みやすく、投票として成立しづらくなるのです。


仮に競輪で単勝を発売するとします。

するとどうなるか?

● 圧倒的な人気が1点に集中する

ラインの構造上、
「勝ちに行く選手」「勝たせてもらえる選手」が存在し、
その選手に票が集中します。

結果として:

  • 単勝1.1倍が頻発
  • 他選手は全く売れない
  • 単勝を買ってもリターンが非常に低い

こうなると、車券として魅力を失います。

競輪は他の公営競技に比べ「還元率75%」と高くありません。
その中で単勝のような低配当の車券を増やしても、売上メリットがありません。


複勝は
「1〜3着に入れば当たり」
という初心者向けの賭式です。

しかし競輪では…

  • ライン3番手は仕事柄“3着まで入らないことが多い”
  • 先行選手は風よけをして着外になるのが一般的
  • 番手が有利すぎる(ほぼ複勝2倍以下)

複勝を導入すると
番手選手だけが売れる、極端なオッズになる
という問題があります。

複勝の役割は
「初心者でも当てやすい券種」
ですが、競輪の構造ではそうなりません。

→ 初心者向けとして成立しない。


競輪は1948年に誕生しましたが、当初から投票券の中心は:

  • 2連勝複式(現在の2車複)
  • 2連勝単式(現在の2車単)

という「2車券」が中心でした。

競輪は「ライン戦」「職人の役割分担」を重視するスポーツとして普及したため、
個人の1着を当てる券種は必要性が低かった のです。

その後、

  • 3連単
  • 3連複
  • ワイド(拡大3連複)

等が導入され、車券の幅は増えましたが、
競輪の競技構造が変わらない限り、単勝・複勝が導入される見込みはほぼありません。


逆説的ですが、単勝・複勝がないことは競輪の魅力にもなっています。

● レース展開を読む面白さ

競輪はラインの駆け引き、位置取り、仕掛けなど、
戦術要素が非常に濃いスポーツ であり、
2車単・3連単のような券種が魅力を発揮します。

● オッズの妙味

ラインと選手心理を読むことで、
高配当が生まれるスポーツでもあります。

もし単勝・複勝だけの世界なら
「人気選手を買うだけ」で終わってしまい、
競輪の魅力が薄れてしまうとも言えます。


競輪に単勝・複勝が存在しない理由は以下の通りです。

  • 競輪はライン戦であり、全員が勝ちに行くわけではないから
  • 役割を背負う選手が多いスポーツで単勝は成り立ちにくい
  • 複勝は番手選手に票が集中し、券種として成立しにくい
  • オッズの偏りが極端になるため魅力が薄い
  • 歴史的に個人戦の単勝・複勝の文化が根付かなかった

競輪は「チーム戦と個人戦が混在する独特のスポーツ」であり、その構造こそが単勝・複勝を排していると言えるでしょう。