【お知らせ】毎日の無料予想はリニューアルにより公開まで暫くお待ちくださいませ

「競輪」と「KEIRIN」は同じじゃない?違いを徹底解説|日本発スポーツが世界で愛される理由

日本人にとって「競輪」という言葉は、公営ギャンブルのひとつとしておなじみです。
しかし、海外の自転車競技ファンに「KEIRIN」と言えば、まったく違うイメージを持たれます。
実はこの二つ、発祥は同じでも“目的”や“ルール”、さらには“文化”まで異なるのです。

たとえば、ある日本人が「昨日、競輪に行ってきた」と言えば「投票券を買ってレースを観戦した」という意味。
一方で海外の人が「I love KEIRIN!」と言えば、「スピードと駆け引きを競うトラック競技が好き」という意味になります。

つまり、「競輪=ギャンブル」「KEIRIN=スポーツ」と考えるのが基本的な違いです。
では、それぞれどのように発展し、なぜ世界で受け入れられたのでしょうか。
ここから詳しく見ていきましょう。


競輪は、1948年に福岡県の小倉で始まった日本独自の公営競技です。
戦後の復興資金を集める目的で生まれ、現在も地方自治体が主催しています。
競馬・競艇・オートレースと並ぶ、いわゆる「公営ギャンブル」の一種です。

レースの仕組み

競輪は1周400mまたは333mのバンク(競走路)を使用し、最大9人の選手が出走します。
レース序盤は「誘導員」と呼ばれる選手が先頭を走り、ペースをコントロール。
残り2周を切ると誘導員が離れ、そこから本格的なスプリント勝負が始まります。

レースでは、単に速い選手が勝つわけではなく、チーム戦略や位置取りの駆け引きが鍵となります。
選手たちは「ライン」と呼ばれる地域ごとのチームを組み、互いに連携して勝利を目指します。
こうした複雑な戦術が、ファンの予想をよりスリリングなものにしているのです。

賭けと払戻し

競輪では、観客が選手に対して「投票(車券購入)」を行い、結果に応じて配当が支払われます。
この仕組みにより、地方自治体の収益として地域振興にも貢献しているのが特徴です。


KEIRIN(ケイリン)は、もともと日本の競輪をベースにしたトラックレース競技ですが、
ギャンブル要素を排除した純粋なスポーツとして進化を遂げました。

国際的な広がり

KEIRINが世界に広まったのは1990年代。
日本自転車振興会(現JKA)がルールを国際自転車競技連合(UCI)に申請し、
2000年のシドニーオリンピックで正式種目に採用されたことが転機となりました。

以来、KEIRINはヨーロッパやオーストラリアを中心に人気が高まり、
現在では世界選手権でも花形種目のひとつです。
多くの日本人選手が海外で活躍し、“KEIRIN”という言葉がそのまま英語になったことも注目点です。

ルールの違い

KEIRIN競技も「先導者」が登場します。
ただし日本の競輪と異なり、先導するのはモペッド(電動バイク)で、選手たちはその後ろについて周回を重ねます。
残り600~700mになるとモペッドが離脱し、そこから全力スプリント。
最初にゴールラインを駆け抜けた選手が勝者となります。

このように、KEIRINはあくまで「誰が一番速いか」を競うシンプルなレースです。
ギャンブル性はなく、純粋なスピードと戦術の美しさが魅力とされています。


同じ“ケイリン”でも、「競輪」と「KEIRIN」では文化背景がまったく異なります。

項目競輪KEIRIN
主催日本の地方自治体国際自転車競技連合(UCI)
目的公営ギャンブル・地域振興スポーツ・オリンピック競技
賭け要素あり(車券購入)なし
レース形態チーム戦・ライン戦略重視個人戦・スプリント勝負
人気国日本欧州・豪州・アジア各国

競輪は「見る+賭ける+応援する」という総合的な娯楽である一方、
KEIRINは「競う+魅せる+記録を追う」という純粋なスポーツ文化なのです。


興味深いことに、日本の競輪選手の中にはKEIRIN競技にも挑戦する選手が増えています。
中でも脇本雄太選手新田祐大選手はその代表格。
彼らは日本の競輪界で鍛え上げた技術と駆け引きを武器に、世界の舞台でスプリント勝負を繰り広げています。

一方で、国際ルールではチーム戦略がほぼ存在せず、
個人技と瞬間的な判断力が問われるため、
「競輪で培った経験をどう活かすか」が彼らの課題でもあります。

KEIRINの舞台は、まさに“個の力”を極限まで試す戦場なのです。


KEIRINが世界の舞台で人気を集めている理由はいくつかあります。

  1. スピード感と緊張感のある展開
    誘導バイクが外れた瞬間に始まる爆発的なスプリントは、わずか10秒足らずの勝負。
    観客は一瞬たりとも目が離せません。
  2. 日本的な規律と美学
    KEIRINの名称やルールには、日本人特有の礼節や戦略性が反映されています。
    海外ファンからは「サムライスポーツ」と称されることも。
  3. 国際スターの誕生
    オーストラリアのジェイソン・ケニー、イギリスのクリス・ホイなど、
    オリンピックで名を馳せたスター選手の存在も、KEIRIN人気を後押ししています。

「競輪」と「KEIRIN」は、同じルーツを持ちながらも、まったく異なる進化を遂げました。
一方は人々の娯楽と地域経済を支える“公営ギャンブル”、
もう一方は世界が認める“スピード競技”として確立しています。

しかし両者に共通するのは、「人が人を応援する楽しさ」と「スピードへの情熱」。
どちらの“ケイリン”にも、観る者を魅了するドラマがあります。

これからの時代、競輪とKEIRINの垣根はさらに薄れていくかもしれません。
日本の競輪選手が世界で活躍し、KEIRINファンが日本のバンクを訪れる――
そんな未来が訪れたとき、真の意味で「ケイリン」はひとつになるのかもしれません。


  • 「競輪」は日本の公営ギャンブル
  • 「KEIRIN」は国際的なトラックレース競技
  • ルール・目的・文化が異なる
  • どちらも日本発祥であり、スピードと戦略の魅力を持つ