今年も年末に向けたビッグレースのひとつ、椿賞争奪戦がいよいよ幕を上げます。2025年12月11日(木)から14日(日)まで、静岡県伊東市にある伊東温泉競輪場を舞台に、開設75周年記念として華々しく開催されます。
競輪ファンにとっては、グレード記念レースならではの豪華メンバーに注目が集まるとともに、バンクの特性や開催時期ならではのコンディションも勝敗を大きく左右する要素となる一戦です。
この記事では、まず伊東温泉競輪場のバンク特徴を整理し、続いて出場予定の主な選手をピックアップ。さらに「勝つための必勝パターン」や「この開催だからこそ注意すべき点」を掘り下げます。これから車券を検討する方にも役立つよう、展望・予想軸のヒントも盛り込みます。
会場/バンク特徴
まずは舞台となる伊東温泉競輪場(333メートルバンク)のデータを整理します。
周長 333 m、見なし直線距離46.6 m。
直線が333バンクとしては「やや長め」で、他の333mバンクに比べると追い込み・差しも利きやすいと評価されています。
また、伊東は周囲を丘陵で囲まれているため風の影響を受けにくく、バンクのクセは少なめという声もあります。
ただし“バンクも軽くはない”“他の33バンクに比べて直線が長いくらい”という指摘もあり、万能ではない特性も持っています。
このようなバンクの特性を踏まえると、「直線での伸び」「終盤の差し・追込み」「先行してどれだけリードを築けるか」が勝利の鍵となります。特に12月という時期は、冬場の冷え込みもありバンクの重さが出やすいことも念頭に置きたいです。
今回の開催概要・注目点
2025年の九十九島賞争奪戦は、「12月4日~7日」という比較的早めの12月上旬日程ということで、これまでの例年(例:2024年12月19日~)と比べるとやや前倒し。
これは、遠征選手・地元選手ともに「シーズン終盤戦」を意識した調整が必要となる要因です。
また、グレード・GⅢという枠のため、実力拮抗のラインが揃いやすく、「番手争い・展開読み」が非常に重要となる開催です。
さらに、佐世保競輪場の立地(海沿い、九州)ということもあり、九州地区の地元勢が意欲的に参戦しやすいという点も注目点です。地元の牙城を守るという観点で、九州選手の活躍にも注目したいところです。
今回の開催概要・注目点
2025年の椿賞争奪戦は「開設75周年記念」という特別な節目の開催です。
このため、例年よりも注目度が高く、参戦メンバーも豪華な顔ぶれが期待されます。実際、特設ページでは主な出場選手として以下の名が挙げられています:
郡司浩平(S級)
中野慎詞(S級)
岩本俊介(S級)
山田英明(S級)
深谷知広(S級)
加えて、A級最後のファイナル「レインボーカップチャレンジファイナル」も同時に組まれており、多彩なレース構成となっています。
車券ファンとしては、普段とは少し異なる視点や深読みも求められる開催と言えるでしょう。
注目選手ピックアップ
以下は出場予定選手の中から、特に注目したい選手をピックアップします。すでに上記で名前が挙がっていますが、ここでは少し立ち位置や期待要素を掘り下げます。
郡司浩平
国内トップクラスの実力を持つ郡司選手。グレードレースでの安定した成績が光ります。今回は伊東のような直線が長めのバンクで、その脚力を最大限に活かせる可能性が高いです。ライン構成や番手次第ですが、優勝争いの本命と言って差し支えない存在でしょう。
中野慎詞
速さ・機動力とも申し分ない中野選手。伊東バンクは伸びやすさが特長という点で、中野選手の捌き・瞬発力が活かされそうです。捲り・差しターンのキレを如何に展開の中で発揮できるかが鍵。
岩本俊介
昨今力を伸ばしている岩本選手。グレードレースでも存在感を増しており、特にこうした記念開催では「一発勝負」的な役割を果たすことがあります。番手役としても、自らの勝負所としても期待できるタイプです。
山田英明
オールラウンダーとして知られる山田選手。先行・捲り・差しと状況に応じて動ける利点を持っており、伊東バンクの「どこからでも勝負できる」傾向とはマッチすると言えます。展開次第では穴をあける可能性も秘めています。
深谷知広
記念競輪での実績も豊富な深谷選手。バンクの状態・体調ともに整っていれば、勝利候補の一角。特にライン・番手関係でうまく番組を使えれば、勝機は十分です。
優勝を掴むパターンと展開読み
バンク特性・選手構成を踏まえたうえで、優勝を掴むためのパターンを整理します。
① 先行からリードを保つタイプ
直線が長めの伊東バンクでは、先行して中盤から余裕を持って回れると非常に有利です。特に重くなりがちな冬場のバンクでは、先行脚がある選手が流れを作りやすい。郡司・深谷・山田といった先行力のある選手はこのパターンを狙いたい。
② 捲り・差しで決め切るタイプ
直線が長いことは差し・追込みにもチャンスを与えており、展開がハマれば捲り・差しで一気に突き抜ける場面も多く観られます。中野・岩本あたりがこの動きにハマれば面白い。特に前が速くなった時、番手・先行が消耗した後の差し脚勝負で勝機あり。
③ ライン・番手次第で変わる展開
記念開催らしく強豪が多数参戦するため、ライン構成・番手の駆け引きが勝敗を大きく左右します。先行が固めて押し切るか、差し・追込み主体で豪快に交わすか。展開読みがかなり重要で、「どのラインが主導権を握るか」を予想することが車券攻略の鍵となるでしょう。
今回の開催で特に注意したい点
いくつか、この開催ならでは・時期ならではの注意点があります。
冬場・ナイター(または夕刻)開催の影響
12月開催ということで、気温低下による影響・バンク路面の重さ・身体の動きなど、条件が夏季や暖かい時期と比べて厳しくなります。特に力脚を余裕をもって使える選手がアドバンテージを持つ可能性があります。
豪華メンバー参戦ゆえの“消耗戦”化
記念GⅢとあって強豪が集結するため、予選・準決勝過程で体力・気力を消耗する選手が出る可能性があります。最終日の決勝では「前日までの戦いをどれだけ残さずに臨めたか」がカギ。実績あるベテランがこうした状況を有利に使える傾向があります。
バンク傾向の読み過ぎに注意
直線が長めという特徴は確かにありますが、“クセがない”“風の影響少なめ”という評価もあるため、あまりバンク特徴に頼りすぎすると痛い目を見ることも。選手自身のコンディション・ライン構成・展開読みが優先されることは間違いありません。
番手・ライン構成の変化に敏感に
この種の記念開催では、普段とは違ったライン編成・遠征勢の動き・番手の意外な選択などが起こりがちです。直前の出走表・番組構成を要チェックです。
車券検討のヒント
以下、車券を組み立てる際の具体的なヒントを整理します。
優勝候補としては「郡司浩平/中野慎詞/深谷知広」の3名を軸に据えるのが無難。
ただし、穴を狙うなら「山田英明」「岩本俊介」といったオールラウンダー・調子上昇中の選手を抑えておきたい。
車券パターンとしては【1着=先行型】【2着=捲り・差し型】、あるいは反対に「先行が消耗して、差し・追込みで交わす」展開も想定。よって「先行+差し/追込み」の組み合わせを軸に「捲り決着」のパターンも少し加味したい。
展開が読めない時は、直線長め・追い込み利きそうということで「差し・追込み中心」のBOXを抑えておくのも戦略。
出走表の番手・ライン構成・過去成績(特に冬場の伊東バンク・333mバンクでの実績)を確認し、「番手有利」「展開有利」かどうかをチェック。
高配当狙いなら、前残りに強い選手+機動系ラインからの複穴狙いも有効。冬場の重バンクを味方につける脚質の選手を見逃さないこと。
過去データからの示唆
過去の椿賞争奪戦では、優勝者に実力選手が並ぶ傾向があります。例えば、2023年は優勝が 和田健太郎、2022年が 野原雅也 という実績者でした。
このようなデータからも“王道実力者が勝つ”パターンが根強いと言えます。
一方で、展開が荒れた年には人気薄選手が浮上するケースもあり、「堅め+波乱」の両方を視野に入れておきたいところです。
最終展望まとめ
総じて、椿賞争奪戦2025は「実力選手がそのまま勝ち切る可能性が高い」反面、「冬場・ナイター等の条件+記念開催ならではの特殊展開」によって思わぬ伏兵が出る余地も十分にあります。
・舞台=伊東温泉競輪場の直線長め333 mバンクを活かせる脚力がカギ。
・本命=郡司浩平/中野慎詞/深谷知広。
・穴候補=山田英明/岩本俊介。
・戦略=先行有利・差し/追込みも対応可。番手・ライン構成・展開読みが勝敗を分ける。
・注意点=冬場の体調・バンク重さ・遠征勢の動向。
車券を組む際には、出走直前の出走表・番手確認・ライン動向を必ずチェックし、「展開がどう作られるか」をシミュレーションしておくことが勝利への第一歩です。



