四国の玄関口・高松に息づくスピードの舞台
うどん県として知られる香川県高松市。
瀬戸内海の穏やかな海風が吹き抜け、歴史と文化が調和するこの街には、もうひとつの“熱い舞台”があります。
それが高松競輪場(たかまつけいりんじょう)です。
昭和25年(1950年)に開設された四国屈指の伝統競輪場で、70年以上にわたりファンを魅了してきました。
穏やかな街並みの中にありながら、ひとたびレースが始まると空気が一変。
スピードと戦略が交錯する熱戦が繰り広げられます。
バンクの特徴:瀬戸内の風が左右する戦略性の高い400m走路
高松競輪場のバンクは1周400メートル。
直線距離は56.8メートルと標準的ですが、瀬戸内海に面した地形のため、海風の影響を受けやすいバンクとして知られています。
特にバックストレッチ(第2コーナー〜第3コーナー)では、海からの風が強く吹く日もあり、逃げ選手にとっては向かい風が大きな壁に。
そのため、単調な展開になりにくく、“風を読んだ駆け引き”が勝敗を左右します。
また、バンクのカント(傾斜)は比較的緩やかで、スピードの持続力とコーナリング技術の両方が問われるコースです。
決まり手としては、差し・捲りが有利な傾向にあり、地脚型よりもテクニカルな走りを得意とする選手が活躍しています。
名物開催:「玉藻杯争覇戦」──四国の頂点を懸けた伝統の一戦
高松競輪場の代名詞といえば、毎年開催されるGⅢ「玉藻杯争覇戦(たまもはいそうはせん)」。
「玉藻」とは高松城の別名“玉藻城”に由来し、地元の誇りと歴史を象徴する名タイトルです。
この開催では、全国各地のトップ選手が集い、四国のバンクらしい激しい風の中でプライドをかけたレースを展開します。
地元香川支部の選手たちが“ホームバンクの意地”を見せる場でもあり、観客席からは大きな声援が響き渡ります。
決勝戦当日は、スタンドが満員となり、ファンの拍手とともにゴールを駆け抜ける選手の姿は圧巻そのものです。
レース傾向:風と駆け引きが生む多彩な展開
高松競輪場のレース傾向を一言で言うなら、「展開の読みがすべて」です。
逃げ・捲り・差しのいずれも決まる可能性がありますが、海風の強い日には前に出た選手が苦戦しやすく、中団以降からの差しや捲りが決まりやすい傾向に。
また、直線がそれほど長くないため、コーナーの立ち上がりでスピードを乗せた選手が有利になります。
そのため、「タイミングを見極めて踏み出す冷静さ」や「ライン連携の精度」が勝敗のカギ。
一発逆転の展開も多く、ファンにとっては見応えのあるレースが続きます。
地元スター選手とファンの熱気
高松競輪場は、四国地区の有力選手たちのホームバンクでもあります。
地元・香川支部には、ベテランの巧者から若手のスプリンターまで個性豊かな選手が多く、地元開催ではスタンドから熱い声援が飛び交います。
また、地元選手によるトークイベントやサイン会も頻繁に行われ、ファンと選手の距離が近いのも特徴です。
競輪を初めて観る人にも親しみやすく、「人間ドラマを感じられる競輪場」として高く評価されています。
ナイター・ミッドナイト開催も拡充中
高松競輪場では、ナイター開催「たかまつナイター」を積極的に実施しています。
ライトアップされたバンクは幻想的な雰囲気に包まれ、昼間とはまったく違うスピード感と迫力を演出。
仕事帰りに立ち寄るビジネスマンや、家でネット観戦するファンにも好評です。
さらに、ミッドナイト競輪も導入され、深夜でもオンラインで白熱のレースが楽しめます。
全国の投票サイト(チャリロト・WINTICKET・Kドリームスなど)からもアクセス可能で、“いつでもどこでも楽しめる競輪場”として進化を続けています。
観戦しやすくリニューアルされたスタンド
高松競輪場のスタンドは、近年リニューアルされ快適性が大幅にアップ。
冷暖房完備の特別観覧席や、家族連れ向けのファミリーゾーン、初心者でも安心して観戦できる「初心者ガイドブース」などが整備されています。
スタンドからバンクまでの距離も近く、選手のスパート音や風を切る音が間近で感じられる臨場感があります。
また、売店や飲食コーナーも充実しており、名物の「讃岐うどん」は来場者の定番グルメ。
熱いレースを観ながら味わう“地元の味”は格別です。
アクセス:高松市街からの抜群の利便性
高松競輪場は、アクセスの良さでも全国有数。
JR高松駅から車で約10分
高松自動車道「高松中央IC」から約15分
無料送迎バス(開催日限定)あり
市街地に近く、観光との組み合わせも容易。
高松城跡(玉藻公園)や栗林公園など、観光名所も多数あります。
レース観戦の合間に観光やグルメを楽しむファンも多く、“旅と競輪の両立”ができる人気の開催地です。
ご当地グルメと観光も楽しめる!
香川県といえば、やはり讃岐うどん。
高松競輪場周辺にも名店が多く、レース観戦前後に立ち寄るのが定番コースです。
また、「骨付鳥」や「オリーブ牛」など香川ならではの味覚も楽しめます。
開催日には地元飲食店の出店もあり、お祭り気分でグルメと競輪を満喫できます。
地域との共生と未来への展望
高松競輪場は、地域貢献活動にも積極的。
地元中学生向けの自転車教室や、交通安全イベントの開催など、“競輪=地域の安心とつながり”をテーマに取り組んでいます。
また、若手選手育成にも力を入れており、「四国の競輪文化を未来へつなぐ」役割を果たしています。
高松競輪場が愛される理由
風を読んだ戦略的なレース展開
観戦しやすくリニューアルされた快適施設
ナイター・ミッドナイトで幅広い楽しみ方
地元グルメ・観光との相性抜群
地域とのつながりを大切にする運営姿勢
これらが融合し、高松競輪場は「四国の競輪文化を象徴する存在」として輝き続けています。
まとめ:風と戦略が織りなす、四国の名バンク
高松競輪場は、自然条件と人間ドラマが見事に融合したスピードバンク。
瀬戸内海の風、ベテランの技、そして地元ファンの熱気が生み出す名勝負の数々。
四国を訪れるなら、一度はその空気を体感してほしい場所です。
レースの迫力と、香川の美味しいグルメを同時に味わえる——
それが、高松競輪場の魅力です。
まとめポイント
香川県高松市にある伝統の400mバンク
名物GⅢ「玉藻杯争覇戦」を開催
海風の影響で戦略性の高いレース展開
ナイター・ミッドナイト開催も豊富
グルメ・観光と組み合わせて楽しめる



