温泉街に佇む競輪場というギャップ
静岡県伊東市。その名の通り「温泉街」の風情が漂うこの地に、ひときわ異色とも言える施設がある。そう、今回ご紹介する「伊東温泉競輪場」である。温泉旅館のそばに疾走するレーサーたち。湯けむりの香りとスピードの熱気が同居するこの場所には、競輪ファンだけでなく観光気分で訪れる人にも楽しみがある。
バンク上の緊張感と、場外ののどかな風景。このギャップが伊東温泉競輪場を“普通の競輪場”とは一味違う場所にしている。今回はその魅力を、ゆるく、かつしっかりと紐解いていきたい。
施設・アクセス・雰囲気
所在地・アクセス
伊東温泉競輪場は、静岡県伊東市岡 1280に位置しており。最寄駅は 伊東駅(JR伊東線)で、駅から徒歩約10分ほど。駅前を渡って競輪場行きのシャトルバスが出ていることも。自動車なら、1,400台を収容できる無料駐車場も完備されているため、遠方から車で訪れる際も安心だ。
アクセスの良さと、温泉街という立地を考えると、観戦+ひと風呂というセットで訪れる選択肢が自然と浮かんでくる。
入場料・施設案内
入場自体は無料。 ただし、二階・三階の「特別観覧席」を利用する場合は有料となる。例えば、二階指定席が本場開催時1000円、場外開催時500円。三階ロイヤルルームでは本場時2000円など。
施設の雰囲気としては、観覧席からバンクを眺められるだけでなく、売店や軽食コーナーも充実しており、観戦初心者でも居心地が悪くない。特に温泉街だからこそ、観戦後に温泉に浸かるコースも現実的。
雰囲気・観戦のひととき
競輪場のある土地が、海沿いというより少し山寄り、木々に囲まれているという点も特徴。 “温泉街+自然”という雰囲気の中でバンクをのぞき込むと、「ああ、観光地でレースをやってるんだ」という感覚がじわりと湧いてくる。
そのため、ガチで勝ちに行くというよりも、旅の途中に立ち寄って観戦…というスタンスでも十分に楽しめる競輪場と言える。
コースの特徴――“クセ少なめ”でも決まり手に変化あり
基本データ
伊東温泉競輪場のコースは、周長333メートル。いわゆる「33バンク」域に分類される。特に注目すべきは「見なし直線距離」が46.6メートルと比較的長めである点。また、センター部の路面傾斜(カント)が34°41′9″とキツめであり、直線部分の傾斜も3°26′1″。
このデータを整理すると、「直線が長く、かつ傾斜のあるバンク」ということになり、一般的な33バンクより“少し400バンクに近い走りやすさ”を持っているという評価もある。
走り方・脚質に対する影響
“クセが少ない”と言われるこのバンクだが、細かく見れば戦略には多少の“クセ”も見えてくる。たとえば、直線が長いため「追い込み」や「捲り」が決まりやすい場面が比較的多い。また、カントがキツめという点から、外側選手が直線に入る際にスピードが乗りやすく、逆転を狙いやすいとも。
さらに、周囲を丘に囲まれており、風の影響をあまり受けにくい構造とも言われている。風が少ないということは、走行条件が比較的安定しており、荒天時の変数が少ないという嬉しい側面もある。
決まり手・傾向
データとして見ると、1着の決まり手で「捲り」がやや多めという分析も。例えば「逃げ:約28%、捲り:約32%、差し:約40%」という数値を出しているサイトもある。
つまり、ここでは「逃げ=万能」ではなく、「外から捲る」「差して追い込む」といった動きが通用しやすいということだ。観戦・車券どちらにおいても、先行・逃げ選手だけに注目していては読みづらい場面がある。
“追い上げ可能なバンク”という意味で、脚質の多様性を意識しておきたい。
観戦&車券を楽しむためのポイント
観戦ポイント
午前10時10分頃に開門となることが多い(場外・記念競輪日は変動あり)ので、早めの行動が安心。
有料観覧席を使うと、風除け・座席スペースなど快適度が増す。旅のひとときとしてゆったり楽しむならおすすめ。
競輪観戦の合間に、伊東温泉でひと風呂というプランも自然。競輪+温泉の組み合わせで“観戦旅行”として成立する。
駐車場無料、アクセス良好なので、気軽に立ち寄る “旅の途中の寄り道スポット”としても使いやすい。
車券・予想ポイント
直線が長く、外側の捲り・追い込みが利きやすいというバンク特性を鑑み、脚質を幅広くチェック。
風の影響が少ないため、当日の気候変動の影響を過度に考えなくて済むが、雨天時の路面状態には注意。
“逃げ”の選手を軸にするのは鉄板ではあるが、このバンクでは“捲り型”や“差し型”の台頭も無視できない。
地元の勢いある選手も時に侮れず、地元選手・ホームバンク効果という視点も加えると味が出る。
温泉街+競輪という“体験型”の楽しみ方
観戦だけでなく、ちょっとした旅気分を味わえるのがこの競輪場の隠れた魅力だ。
まず、伊東市は温泉街としても観光地としても歴史が深く、温泉宿や飲食店も多い。競輪の合間に「ぶらり湯めぐり」も可能だ。観戦スタイルとして「朝から競輪場で1 ~ 2レース見て、午後は温泉宿でゆっくり」というプランも十分アリだろう。
また、バンク外の雰囲気も“温泉街の競輪場”ならでは。木々に囲まれた立地、海から少し離れた山寄りの空気。普段の競輪場では味わえない“旅行先の余韻”を感じられるはずだ。
さらに、場内の売店や飲食スペースも、観戦初心者・ファミリー連れにも優しい造り。競輪を“敷居が高いもの”と感じず、旅の一部として楽しむ観点からは非常に入りやすい。観戦→温泉→グルメという流れをセットにすると、休日の思い出にもなりやすい。
まとめ:勝利も旅も楽しめる“湯の街バンク”
「観戦だけでもいい、勝ちを狙ってもいい、温泉付きとしてもいい」――そんなマルチな楽しみ方ができるのが、伊東温泉競輪場の良いところだ。
直線が長く、カントがきつめで、追い込み・捲りが利きやすいというデータ的なポイントを押さえれば、予想の幅も広がる。観戦スタイルとしては、旅のついでに、半日だけ、休日を丸ごと使っても…と、選択肢が多い。
温泉街の空気が流れる中で、レーサーたちが真剣勝負を繰り広げる。その“ギャップ”が、ここを訪れる価値を高めている。次回の旅、少し足を伸ばして「湯の街で疾走を観る」体験を、ぜひ検討してみてはいかがだろうか。
この記事が、伊東温泉競輪場を訪れるきっかけになれば幸いです。車券初心者・観戦初心者の視点からも楽しめる場ですので、ぜひお気軽に足を運んでみてください。



